Pentium M(nonPAE) なマシンに Linux を入れたい。
そこそこの省電力性、そこそこの性能をもち、そこそこバランスが良い Pentium M マシン。
中古で安価に購入でき、Linux 入門機や軽いサーバーを動かすのに丁度良い選択肢ですが、PAE に対応しません。
そして、最近の Linux ディストリビューションは PAE を必須とするものが増えてきています。「Windows のサポートが切れるから Linux に切り替えよう」とか、そういう用途ですら切り捨てられ始めています。
これは、non-PAE なマシンで利用可能な、比較的新しいディストリビューションをインストールして、お手持ちの Pentium M マシンを延命させる為のメモです。気が向いたら更新します。
各ディストリ対応状況
- 公式サポート
Red Hat Enterprise Linux / CentOS / Scientific Linux(CERN): 5.x まで
Ubuntu: 11.10 まで
Linux MINT: 13 まで
Vine Linux: 現役
Debian: 現役(7.x以降はi486のカーネルイメージを利用する)
- 限定的な公式サポート
Ubuntu: 12.04 LTS *1
Scientific Linux CERN: 6.3 まで実験的に non-PAE へ公式対応
- non-PAE に全く対応しないもの
Red Hat Enterprise Linux / CentOS: 6.x
Ubuntu: 12.10 以降
Linux MINT: 14以降
Windows: 8 以降
- よくわからん
Fedora: 最新のやつは対応してないはずだが詳細覚えてない
FreeBSD, OpenBSD, NetBSD とか、その辺
Scientific Linux CERN 6.3 のインストール
6.3 まで公式に対応します。それ以降は・・
http://linux.web.cern.ch/linux/scientific6/nonpae.shtml
要は boot.iso で起動した後はネットワークインストールしてください、と。
ftp.riken.jp とかにも i386nonpae はあるので、そっちからインストールすると幸せかも。
パッケージの更新
6.4 がリリースされたが、i386nonpae が見当たらない・・そしてエラーが出て yum update できない!
とりあえず
/etc/yum.repos.d/slc6-os-nonpae.repo
/etc/yum.repos.d/slc6-updates-nonpae.repo
この2件のリポジトリの参照先を「6X」から「63」とかに書き換えておけば、パッケージのアップデートは通るようになります。(幾つかの更新は利用できない)
Scientific Linux CERN 6.4 への更新(見た目だけ)
nonpaeじゃない方の repo を開く。
# vim /etc/yum.repos.d/slc-os.repo
# vim /etc/yum.repos.d/slc-updates.repo
exclude で、通常版(PAE必須)のリポジトリから sl-release* と kernel* を除外する状態になってる。sl-release* を消して上書き。
そのまま更新する
# yum update
アップデートが終わると、/etc/yum.repos.d/ にあるリポジトリの大半が上書きされてしまう(古いものは rpmsave の拡張子で保存される)。
先ほど編集したファイル2件を開き直し、それぞれ exclude で kernel* を指定し、kernel が更新されないように改めて除外しなおす。締めを忘れると、non-PAE 向けじゃないカーネルが適用されて残念なことになります。
これで、見た目は SLC 6.4 に更新される・・中身が伴ってるかどうかは分からない。